Blu-rayレコーダーが壊れた。

正確にはBlu-rayレコーダーのBlu-rayドライブが壊れた。HDDは生きているし、テレビも録画できる。DVDも、最後の方は怪しかった気がする。Blu-rayの板を入れても認識したりしなかったりするようになって、レンズクリーナーをかけるとしばらく復活する、というのを何度か繰り返し、とうとう何をしても認識しなくなった。

ので、新しいのを買った。これで新しく録る分には問題ない。が、古いレコーダーには救出したい録画が残っている。

古い方はPanasonicのDMR-BW950という機械だ。いつ買ったのかもう覚えていないくらい古い。調べれば分かるが、そこまで知りたいわけではない。

ここ数年、大河ドラマは録画して、見終わったあともBlu-rayに焼いて取ってある。「鎌倉殿の13人」以降は全部ある。ところがBW950の調子が悪くなって、焼けずにHDDに溜まった分が出た。今年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」の、本能寺の変に至るあたりの5話だ。

よりによってそこか。要潤の明智光秀が大変よかったので、このへんが抜けるのは残念だ。

AIに聞いたら、しばらく寝かせて、涼しくなった頃にもう一度試してみたらどうか、と言われた。電源を完全に落として数時間とか数日とか放っておくと、電子回路の状態が落ち着いて復活する、という話はまあ聞く。さらに、暑い夏と涼しい秋では電子回路の状態も微妙に違うので、動くか動かないかの瀬戸際にいる故障なら、何かの拍子にこっち側に倒れるかもしれない、というような話だったと思う。

根拠があるような、ないような。でも、もう壊れている。寝かせておくのに金はかからない。

古いレコーダーはコンセントを抜いて別の部屋に置いた。

そしてシルバーウィークが来た。コンセントをつないだ。動いた。

いや、本体が動いたのである。HDDに残っていた5話もちゃんと再生できる。肝心のBlu-rayは読めなかった。DVDも読めなかった。

これはいよいよダメかと思ったが、レンズクリーナーをかけてみたらDVDは読めるようになった。おお。ではBlu-rayも、と期待したが、こちらはダメだった。何度かやったがダメだった。DVD用とBlu-ray用でレーザーが違うとか光学系が違うとか、そういう話だった気がする。ともかくDVDが蘇ったからといってBlu-rayも蘇るわけではないらしい。

さてどうする。

ここで、DMR-BW950の背面にi.LINKという端子があることが分かった。

i.LINK。知らん。

名前くらいは見たことがあるが、使ったことはたぶん一度もない。ところが調べてみると、対応するレコーダー同士をi.LINKでつないで、DR録画をデジタルのままダビングできるらしい。光明が差した。十何年だか機械の後ろで一度も使われずにいた端子が、Blu-rayドライブが死んだ今になって突然、救命ボートとして名乗りを上げてきたのである。

著者2によると、i.LINKの正体はIEEE 1394という通信規格で、i.LINKという名前自体はソニー由来らしい。同じ一族をAppleはFireWireと呼んでいた。なのにこの機械はPanasonicだ。日本家電連合が局所的に成立していた時代があったらしい。

問題は、救命ボートがあっても、向こう岸にも船着き場が要ることだ。今使っているレコーダーは新しすぎて、もうi.LINKなんぞ付いていない。

中古の対応レコーダーを買うか。パソコンにIEEE 1394のインターフェースを付ければ何とかなるのか。だんだん大ごとになってきた。

そういえば、近所の写真屋でHDDからデータを吸い出すようなことをやってくれないだろうか、と思った。AIに聞いてみると、そういう業者なら可能性はあるという。では近所にないかと探させたら、すぐ近くにいかにもそれらしいパソコン修理屋があった。

電話してみた。HDDそのものから録画データを救出できないかと聞いてみたのだが、録画データにはコピーガードがかかっているのでできない、とのことだった。ああ、コピーガード。そうだよなあ。

そこでまだ、ではi.LINK経由ならどうなんだ、という問題は残っていた。残っていたのだが。

もういいや。

HDDに残っていた5話を全部消した。ついでにHDDをフォーマットした。電源を落とした。HDMIケーブルを抜いた。電源ケーブルも抜いて、これはゴミ箱に放り込んだ。

本体はまだ部屋にある。粗大ゴミなのか小型家電回収なのか、そのへんを調べないといけない。

要潤の明智光秀はとてもよかった。