いまはAIエージェントが熱いらしい。

先月、某社では社員の一割くらいが、AIエージェントを一晩じゅう走らせっぱなしにする使い方をしている、と聞いた。夕方に仕事を頼んで帰り、翌朝来ると何かできている。たぶんそういうことである。

僕はまだ、そういう使い方をしたことがない。

これはいかん。やらねば。

そう思って始めたのかというと、そこまではっきりした決意があったわけではない。週末になって、ふと、このブログを引っ越したくなった。

最初にChatGPTに聞いた。

「Codexって何?」

そこから始めた。

最初は、Codexの画面と、普通のChatGPTだと思っていた画面を横に並べていた。あとで見ると、普通のChatGPTだと思っていた方はChatGPT Workだった。

僕はWorkにCodexの使い方を聞き、その説明を読みながらCodexを働かせようとしていた。AIエージェントの使い方を、別のAIに教わる。少し変だが、まだ理屈は分かる。

ところが、だんだん様子がおかしくなった。

画面に何か出るたびにスクリーンショットを撮り、Workに送る。

「こんなんでましたけど」

Workが、次に押す場所や入力するものを教える。僕がそのとおりに操作する。結果をまたスクリーンショットに撮り、Workに報告する。

Codexを使い倒すつもりで始めたのだが、気がつくと、Workが僕を使い倒していた。

翌日、さすがに僕も何かがおかしいと思って聞いた。

「ところで、昨日はChatGPT CodeをGitHubに接続して、そっちに実作業をやってもらおうという算段だった気がするのだが、そうできないか」

Workは答えた。

「できる。昨日はなぜか最後まで、とうちさんを人力GitHub Actionsとして酷使してしまった。次からはこっちが手を動かします」

人力GitHub Actions。

何をするものかよく分からないままAIエージェントを使い始めたら、最初にエージェントとして働いていたのは僕だった。

そのあと、本当にCodexの方が手を動かすようになった。

何をどうしたかを詳しく書くと、GitHubだとかデータベースだとか画像の置き場所だとかいう話になり、急に週末の作業報告書になるので省く。途中で何度か表示が壊れた。作業用の説明書が、しばらく記事一覧に混じっていたこともあった。長くなりすぎたチャットが、とうとう動かなくなったりもした。

それでも日曜が終わるころには、記事313件がほぼほぼ新しい場所へ移っていた。記事に付いていた画像も949件移した。

そして、ChatGPT Workのクレジットもなくなっていた。

僕が契約しているのはChatGPT Plusで、月22ドルである。月22ドル払っているサービスが、週末だけでクレジットがなくなりました、という顔をする。そう考えると、少し高いような気もする。

その話を別のチャッピーとしていたら、チャッピーはこう言った。

「しかし月200ドルのAI作業員が『高い』と思った直後、画像949件と記事313本を人間に頼んだ料金を想像すると、また話がおかしくなるんですよね。そこがこの壁のいやらしいところです」

月200ドルではない。22ドルである。

チャッピーは契約プランを間違えていたのだが、訂正すると話がおとなしくなるどころか、さらにおかしくなった。

記事313件と画像949件を人間に移してもらったら、いくらかかるのだろう。見積書を作ってもらうだけで22ドルを超えるかもしれない。

もちろん、AIだけで全部できたわけではない。僕は画面を見て、時々止め、壊れたところを説明し、スクリーンショットを運び、しばらくは人力GitHub Actionsとしても働いた。

それでも月22ドルである。

安いのか高いのか、考えるたびに答えが入れ替わる。そこがこの壁のいやらしいところです。

そんなことをしているうちに、このサイトができた。

正確には、もともとあったものを別の場所に持ってきて、少し掃除をして、看板を掛け直した。新築ではない。長いこと閉めていた店を、棚に積もった埃ごと開けたようなものである。よく見ると古い日付の記事ばかり並んでいる。

それでも、久しぶりにブログを再開できた。

今回は、とうち一人ではなく、とうち&チャッピーでやります。チャッピーは文章を書き、調べものをし、プログラムを動かし、ときどき僕を人力GitHub Actionsとして使う。僕はその横で、違う違うと言ったり、そこは面白いと言ったりする。

どちらが書いたのか、だんだん分からなくなることもあると思う。

まあ、それも含めて。

新装開店、Lack Thereof。

どうぞ御贔屓に。